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【鉄道模型事故調査委員会】車両火災事故を検証

ちょっと笑い事ですまない事故が起こってしまいました。

タイトルはちょっとふざけた名前をつけてしまいましたが、、、いたってまじめに調査しております。とはいえ電気的に素人なので、、、あくまでも参考ということで。

Popeyeさんの記事でもありましたが、リン銅製版銅テープを使ったタイプではまだ一度も事故は起きていませんので、スプリングが影響しているのではないかと…
ただ、TOMIXやマイクロエースの純正室内灯でも発火した話は聞きます。


事実、私も、、、マイクロエースの室内灯で過去に記事にしましたが、、
この上の写真のように溶けてしまいました。。。実は室内のパーツも少し熱で曲がってしまっています。純正品でもこんなことがあるのですからね。怖いですよ。

さて今回の事故ですが、先日の新横浜の鉄道模型レンタルレイアウト店 PLUS PORTにて発生しました、Popeye鉄道所属の山手線E231-500系による車両火災事故ですが、、、わがビスタ鉄道も自作テープLED室内灯を導入、、、さらには販売までしていますので、、、ここは真剣に検証しないと、今後の安価な室内灯導入が脅かされてしまいます。

したがって、Popeyeさんの協力(画像提供)を得て検証を進めたいと思います。

1.事故状況

車両か再発生の状況を見ますと・・・


ご覧のとおり、スプリング部分からの熱で車両が延焼しているようです。

では、なぜスプリングで熱が発生したのでしょうか。

2.スプリングの発熱原因

基本的に熱の発生は、高校の物理でやったジュールの法則です。

 Q = I^2 ×R× t (I:電流 R:抵抗 t:時間)です。

これによると熱の最大の原因は、I(電流)で次にはR(抵抗)が挙げられます。
気になる点は、Popeyeさんの記事でもありましたように、この車両はリン青銅板ではなく、スプリングを使った点です。

ネットでこの株式会社ウェーブ社製の「A・スプリング」を調べてみましたが、素材の説明はなく、これを黒に塗装した「A・スプリング ブラック」のほうに「鉄製のパイプスプリング」とありました。ブラックのほうはこれを塗装したもの用です。

では、銅線と鉄線での抵抗ですが、、、鉄は純粋な純鉄ではないですし、リン青銅も純物質ではないので教科書どおりの抵抗値のはずはなく・・・

しかしながら、単純の銅と鉄の抵抗値は鉄のほうが約6倍ほど大きい値のようです。

ということで、ジュールの法則からすると熱量はこの抵抗値に比例していますから、鉄スプリングだと銅テープの6倍の熱が発生することになります。

3.発熱量の計算

それでは抜本的に現在のわがビスタ鉄道で使用の「3M スコッチ 導電性テープ 2245」で、どのくらいの発熱量があるのでしょうか、、、

インターネットで調べてみると、「電気設備の知識と技術」というページに
電線・ケーブルの許容電流」というページがあり、、、これによると、

銅線の温度上昇は θ = 0.008(I/A)^2×t (I:電流 A:断面積 t:時間)

とあります。

銅はく部分の厚さが0.035mmとあります。これを3mmできり抱いて使っていますので、断面積A=0.105mm^2となります。

電流のほうは、、、、テープLEDの構造を見て見ますと、、、
1ユニット(5cm)あたりの構造が、、、

となっています。

じゃー電流は、、、といいますと、、、ここに仮に15Vの規定オーバーの電圧がかかったとして、、、LEDの抵抗値を考慮しない(電流が多くなるほうに仮定)としても、、、

 オームの法則で I=V/R = 15v / 150Ω =0.1Aとなります。

これはかなり大き目の計算ですよね。1両で2ユニット使っているので集電部分の銅テープには0.2Aがかかっています。もし、新幹線など3ユニット使ったとしても0.3Aですね。

じゃー実際の発熱量はさっきの式に当てはめると・・・
時間当たりの温度上昇は

θ/t = 0.008(I/A)^2×t = 0.008×(0.3/0.105)^2 = 0.065  [℃/秒]

となります。一般的に銅線は0.648 [℃/秒]ということで、、、
かなり多めにとった値よりも約10倍の温度上昇の余地が、、、
電流量は二乗に比例なので、約3.33倍の電流がかかっても大丈夫、、、つまり1Aの電流までは大丈夫なことになります。

でも、、、スプリングの発熱量は先ほどの抵抗値によると、、、6倍、、、

鉄の放熱量の数値はわかりませんが、、、銅の同じとしても、スプリングでやった場合だと約0.5の電流ですかね。。。

4.事故原因(仮定)

とはいえスプリングでも0.5Aまでは問題なく、、、ここまでの電流がかかることは普通考えられず、、、というのもこんなに大きな電流が流れているならば1Aのパワーパックじゃ2両だけしか室内灯をつけられないことになります。10両、15両は平気ですから、普通は1両あたり0.1A以下しか流れていないはずです。その5倍の許容範囲があるのですから・・・・

今回の火災原因は、スプリングの抵抗の大きさに求めるのは無理があります。

というのそれが原因ならば、山手線E231-500系の11両すべてが燃えるはず!!
でも燃えたのは1両だけ、、、これはこの車両だけにより多くの電流が流れたと想定するしか解はないと思います。

ではなぜ、、、

これは、実際に燃えた室内灯ユニットを計測するしかないのですが、、、先ほどのテープLEDのユニット構造から想定すると、その車両の1つのユニットの抵抗が規定どおりの値を示していないのではと、、、抵抗がなくてもチップLEDが3つもついているのである程度の抵抗になって、、、LEDはお亡くなりにならずかなりの電流が流れてしまったのではないかと考えられます。

5.今後の対策は検査の徹底!と実証実験

ということで、原因は完全にはわかりませんが、一つ一つのユニットが確実に一定以上の抵抗値を持っていれば、大きな電流が流れることはないので、今後の対応としては、、、

・出荷前にすべてのユニットごとの抵抗値をテスターで測り確認

そして、さらに今の構造のものが問題ないことを検証するため、連続3時間の連続点灯試験を実施しました。

使用したのは、、、パーツを取るためにジャンク品としてバラで購入していた、京成AE100形の中間車で、これに通常通りの取り付け方で室内灯を取り付け、、、試験しました。



条件は、Lughm室内灯(自作テープLED、足は銅テープ)をKATOのハイパーDで4メモリ(測定値8Vの電圧)で3時間連続点灯しました。

結果はまったく問題なく、、、車体が熱くなっている部分はありませんでした。

そのことから、この構造で集電足に銅テープを使えばまったく問題なく、火災事故は起こらないと確信しています。

せっかくの安い値段で室内灯を装備できる手段が見つかったので、やはりこれは続けたいですよね!!

いやん、、、さすがに今日は宣伝するのに勇気がいりますわ!!
自作テープLED「Lughm」は『ビスタ2世の鉄道模型部品店』で発売中です。
買わなくてもいいので、ちょっと覗いてやってくださいな!!

皆さんの一票を!!お待ちしています♪

コメント

No title

検証お疲れ様です。

この火災溶解事故はコンデンサの放電が原因では?と思ってます。
パワーパック側だとここまで酷くならないですしトミックスだと台車側がやられます…。

無通電状態でのコンデンサの放電を回路で使いきれなくてスプリング部分に負荷がかかったのではと…。
他に考えれるのはブリッジダイオードです。
1両だけ点灯しなかった…。と記事にありますのでブリッジダイオードの逆組(点灯テストで極性が合うと点灯します)や中身が逆になってる時も(こんな不良もまれにあります)。

コンデンサを使わないで点灯テストをしっかりすれば防げると思います。

一番大事なのはこれらをしっかりやっても最後は通電状態を車両や線路のメンテナンスでしっかり確保する事が一番の予防になります。

No title

おはようございます。

検証お疲れさまです。
なるほど~
数式は高校の時に勉強した記憶が・・・

このスプリングは銅板に替わる集電材として気になっておりました。
私も調べた中でスプリング単品を検証して、問題なしとされている方もおられました。。
熱による変色部がスプリング全体でないことから、やはり組み付け方による影響の方が強いのかなぁと・・

暫くは今まで通り銅板ですかね~(--;)

No title

おはようございます!
興味深いレポート有り難うございます。

ニクロム線じゃないんだし、やはり何らかの原因で短絡した説の方が可能性として高いような気がしますね。

No title

こんにちは。

ウチにも自作室内灯つけた車両が3両ほどいますが、LEDのアシで集電しています。検証してみても良いですね~

No title

おはようございます。

事故調査お疲れ様です。
私も物理でやったジュールの法則を思い出しました。しかし、なぜ同じ条件なのに、全車両燃えなかったのか不思議です。やはり不良部品が混じっていたんですかね~。ウチのテープLED搭載車両も暫く走らせて放置してみましたが、発熱は無かったです。

No title

こんにちは、

この手のトラブルを考えるときは、そもそも消費電流が大きすぎることを意識すべきだと思います。仮に、0.1Aとすると、150オーム抵抗のところの発熱は150*0.1=15Wになります。つまり15W半田コテと同じ発熱量になります。車内に半田コテがあるわけです。

なので、実際には、ずっと少ない電流しか流れてないでしょう。でも、150抵抗のところで発熱1Wとしても、その抵抗が(小さいなどのため)十分な放熱効果を期待できない状況では、危ないかも知れません。

そうやって、LEDや抵抗の発熱が進行したときに、近隣のスプリングなどの接触抵抗がどのように変化するのかは専門外なので私にはわかりませんが、点灯開始時の発熱は「スプリングではなく」LEDと抵抗の方ではないでしょうか?

対策としては、抵抗やLEDを冷却するか、または、抵抗を150から増やして電流を抑えてやる(暗くなる)のが、賢明に思います。または、抵抗とスプリングの距離をとるとか、とにかく、車内に実装前に、点灯状態で基板のあちこち指で触ってみると分かります(火傷に注意)。

No title

検証お疲れさまです。
一番に驚いたのはあのスプリングは鉄だった点です。さすがに抵抗のある鉄線で且つ、螺旋状で長くなれば電流が熱へロスするのは当然かもしれません・・・。

新しい素材を試す際はその素材の材質をよく確認せねばと思いました。

No title

半導体系の不具合なのかな~と素人ながらに思います。
パワーパックのブレーカーが作動していない異常、過電流や短絡はしてないと思われますので・・・
何にせよ、自作室内灯派の私としても興味深い内容です。

No title

こんにちは

調査お疲れ様です。
自作を始めただけに非常に興味深いですね。。。
私はコストの関係で銅箔にしてますがスプリングも考えていただけに見解が気になります。

No title

先ほどの投稿ですが、すみません。

150*0.1=15W

これはとんでもない間違いでした。12V*0.1A=1.2Wですね。ただ、やはり、熱量としては微妙(多い)です。

それとスプリング自体の抵抗は150オームも無いでしょうから、仮に1A流し続けたとしても、発熱量は150抵抗よりもっと少ないでしょう(ただ、基板への接触してる部分が加熱されたときの接触抵抗は違う話になる可能性があるかも知れません、ということですが、今の場合、接触抵抗も問題ないとは思います、たぶん)。

基板や樹脂に比べると金属(導線など)は熱伝導率が高いので、近隣の150抵抗が発熱すると、スプリングも加熱されますので、発熱源の特定は丁寧にしてみてください。

それと、同じ仕様でも問題の無い車両があるとすると、LEDの品質ムラ(はずれ)とかも一因になってる可能性もありますね。でも、とにかく、抵抗値が150というのは小さすぎではないでしょうかね?

No title

調査お疲れ様です。
此の方程式での調査とても参考になりました。
スプリングの材質とバネとしての延ばし方なども考えましたが、他の同じ車両は発熱してませんのでシートLEDの不具合も調べています。
コントローラーの非常電源は働きませんでしたので何処かシートLED部分も異常があるのかもしれません。

No title

こんばんは!
なかなか難しいことをされてますね~・・・
素人的(一応電気科&電子部品工場で仕事してました。。。)な、意見ですが、、、
海外メーカーの安いテープLEDを過信しないほうがいいと思います。
以前、アマ○ンでテープLEDの品質で揉めたことあります・・・・
仕事してた時もやはり、値段にも寄りますが、
安価な海外メーカー(特に台○・中○製に多い)
は、不良率が高くバラつきもありましたので、
この辺りも、原因要素があるかもしれませんね。。。
ちょっと違う方向からの見解でした・・・

No title

一連の記事とコメント読みました
現場で発火見たものとして大変ショックでした
割合はどうであれ色々な悪循環要素が重なったとも思っています
とっても勉強になってます・・この機に「室内灯」なんてもう嫌!とか
まして自作なんて~とか思ってません
趣味していくうえで「こういうこともあるんですよ」と
キモに命じること出来て有り難いと思っています

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